「塩狩峠」 三浦綾子 著

確かに衝撃だった。
何日か前、本屋に行ったら、椎名林檎のおすすめ的なことが書いていて、薦められるままに手にとってみた。なんというか、涙が止まらなかった。壮絶な、人間として生きた、生き尽くした人間の話だと思う。少し、宗教色は強い気がしたが、それはあくまで今の自分の感覚からの物言いで、その時代ではそれぞれが思う、信じる宗教があってしかるべきであったのだろう。
その男は、「自分の命を懸けて、多数の人間の命を救った」。しかし、そこに至まで様々な葛藤や憤りを経験している。しかしあくまで「自分は罪深い人間、不完全な人間である」という認識。ある意味、超越していると思ってしまった。しかしそうではない、同じ人間なのであってそれで終わってしまっては意味がないのかなと思った。
好き嫌いがはっきり分かれるとは思うけど、何か感じることはあると思うのでお奨めしときます。